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Close-up

ゴーン社長に直撃インタビュー
日産車のスタイリングについて聞いてみた

1999年にカルロス・ゴーン氏が社長に就任したとき、「私が日産を黒字に戻せなければ、すぐに辞めます」と大胆に宣言した日を今でもよく覚えている。
そのゴーン氏は2年も経たないうちに、6480億円の損失を3310億円の利益に変えることによって、日産は完全に立ち直ったと言える。また、GW直前の決算発表では、売上高営業利益率は11.1%となり、日産は、世界で最も収益力の高い自動車メーカーのひとつであることを発表した。

しかし、コストカッターと呼ばれたゴーン氏の方法は最初の頃、ひんしゅくを買ってしまった。工場を閉鎖し、従業員を2万人減らした。また、資源に再投資を計って、サプライヤを半分に低減。元気な日産を再び作り上げるにはそのくらいの強烈な改革が必要だった。ところで、カーメーカーにとって一番大切なのは、顧客が気に入る車づくりをしているかどうかの問題。技術的に優れていても、各モデルのスタイリングは果たして顧客が乗りたがるのか。

最近の新車状況をチェックしてみると、日産は正しい道を歩いていることがわかる。新車が売れているから。キューブは月々1万5千台、マーチは1万台、ウィングロードは4千台、モコは4千台・・それに2004年末までにGW直前にアンベールしたティーダなどの新車を6台リリースするという計画がある。
それらのデザインを見ると、「これが日産車だ」という共通性のないモデルばかり。しかし、キューブやティアナなどの両極端のスタイリングが顧客の心に何かを打っているようだ。そこで日産の独特のデザインについてゴーン社長に熱く語ってもらった。

インタビュー

ライオン(以下 ラ):最近、日産は両極端のデザイン、例えば保守的なティアナと革新的でユニークなキューブを出していますが、これから先はこんな両極端のミックスを期待すべきか、それとも日産のデザイナーたちは日産共通の味付けを採用しますか?

ゴーン(以下 ゴ):我々はスタイリングの多様化を目指しています。そうすることによって、顧客によって異なるデザインに対する様々なニーズに応えられるからです。どの国の、どのセグメントに新車を投入するときでも、まず各モデルの客層はどのターゲットなのかを決める。つまり、欲しい車にまだ出会っていない顧客は、どこにいるのか、どんな客層なのかを見定める。また、どんなニーズがまだ満たされていないのか? それが確信できてから、1台1台のスタイリングを決定するわけです。ラインアップには、多様なスタイリングが並ぶことになりますが、それは、多様な顧客層があればこそなのです。
例えば、ティアナはクラシックな曲線のスタイルになっていますが、それはクラシックな趣味の顧客が存在するからです。
また、350Zは全く別のスタイリングですね。それは、スポーツカーのセグメントの中でも独特のテイストを持った人をターゲットにしているからです。

これからは、クラシック、斬新的、スポーティといったデザインがラインアップに登場するはずです。スポーティと言えば、ムラノのようなSUVですが、私たちはこのセグメントでは挑戦者です。まだ、自分の欲しいと思う車に出会っていない、まだ満足できていない客層を狙っています。

ラ:例えば、プリメーラやマーチで見られるような翼の形をしたグリルは,主流になりますか?

ゴ:いくつかのデザイン特性が、数種類の車に現れるはずです。もちろん、私としては、日産のアイデンティティとなるもっと強烈な個性が欲しいとは思いますが、あくまでもスタイリングを決定するのは顧客です。我が社のデザイナーには、日産のアイデンティティを押しつけるのではなく、どんなスタイリングを顧客が望んでいるのかを見抜く才能のあるデザイナーであることを期待しています。

ラ:日産はデザインをとおして、ユーザーに何を伝えようとしているのですか?キューブ、ティアナ、Zなどは、共通点がないし、車種によってユーザーに違うメッセージを伝えていますね。

ゴ:スピリットです。日産の車は、他社の車とは違う何かがあると多くの人から言われています。つまり、日産車は目立つということです。それぞれが強烈な個性を持っているわけではないが、同じファミリーに属しているというメッセージは伝わ?ているわけです。大胆な車もあれば、細かいところまで構成を考え抜いた車もあります。しかし、日産の車を見たときに共通して感じるもの、それがスピリットです。同じグリルがついているとか、インテリアが似ているということがアイデンティティなのではないと思います。デザインの共通性より、日産の車を見たときに感じるスピリットのほうが重要です。

ラ:でも、プレサージュとステージアには、デザインの強い共通性があると思います。例えばグリル、Dピラー、テールライトなどが似ていますが、それについてはいかがですか?

ゴ:それはね、私たちに創造性が不足しているのではなくてね(笑い)、この二つの車の顧客層に共通する趣向があるからではないでしょうか? 誰のために車を作っているのかを常に認識していなくてはなりません。

ラ:先ほど、決してライバル・メーカーが作っている車に影響されたり、対抗したりするためにスタイリングを決めてはいないとはっきりと述べられましたね。

ゴ:他社はライバルを意識するでしょう。でも、それは日産のやり方ではありませんね。他社よりちょっといいものを作るのが目的ではなく、我々が作るべき車を生み出すことが日産の目指す方向です。それが、私たちのビジョンであり、スピリットです。日産はこの3、4年、過去にはない成功を遂げていますね。
それは、独自の車作りをしようと決めたからです。もちろん新車のデザインや投資にはリスクはありました。それでも、結果は過去最高の成績をあげることができました。

ラ:社長はデザインの初期段階では、どの程度参加なさるのか?スタイリングにはご意見をおっしゃるのですか。

ゴ:いいえ。折を見てデザイン・スタジオに足を運ぶようにしていますが、それは、様子を見に行くという程度のもので、口をだしてはいません。しかし、いくつかデザイン案が提示された際には、私が決定します。それが、社長の責任だからです。方向決定というのは、とても重要なプロセスです。

ラ:社長はGT-Rのファンということですが、次期モデルこそ世界のGT-Rと宣言していらっしゃいますね。しかし、日本の有力誌によると、その開発が少し遅れているそうです。特に外観デザインとエンジン・スペックはまだ決定されていないそうですが、実際には何を期待できますか?

ゴ:GT-Rは必ず帰ってきます。でも、何故有力誌が予定より遅れているというのか、分かりかねます。発表時期については何も言っていないつもりなんですが。通常より時間をかけているのは確かですが、それは皆さんの期待に応えられるGT-Rをちゃんと完成させたいからです。まず、外観は間違いなく魅力的です。しかも、パフォーマンスも非常に優れたものもなります。時間をかけて煮詰めているのです。私が約束できるのは、世界でも競争力のある車になるといういこと。

ラ:東京モーターショーで見られますか?

ゴ:いや、出展しません。見せたいものが多すぎますからね。

 

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